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紫式部が京都に遺したものとは |
□投稿者/ 管理人 院生(613回)-(2024/04/26(Fri) 17:38:50)
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京都市歴史資料館で源氏物語の特別展
平安京を舞台にした紫式部の大作が、その後の京都でどのように受け継がれたかに迫る特別展「京都と源氏物語」が、京都市歴史資料館(上京区)で開かれている。物語が生まれた平安時代の遺物や、江戸時代の文化人が集めた蔵書など約90件をそろえ、千年を超える都市と物語の結び付きを伝える。
平安期の遺物では、藤原道長の法成寺にまつわる瓦や、別の上級貴族邸宅跡で見つかった白い水晶と那智黒の碁石がみられる。紫式部が道長娘の中宮・彰子に仕えながら源氏物語を書き上げてゆくいきさつや、物語にも出てくる囲碁道具の実物も確かめられる。
文書類では、上賀茂神社の社家に生まれた江戸期の歌人・賀茂季鷹(かものすえたか)の蔵書群がずらりと並ぶ。紫式部の原本から約200年後に藤原定家らが現代につながる源氏物語の底本を整え、400人以上が登場する人物の系図や、注釈書といった読解本も多くつくられた点を紹介。絵巻物や能楽の演目にも展開し、物語が広まるさまも分かる。
江戸後期の地図「京町絵図細見大成」には、今も下京区にある「夕顔丁(町)」が記される。物語の主人公・光源氏が通った架空の女性にちなむ地名。近世に印刷本が普及して多くの人が手に取りやすくなり、平安の古典が町人らにも親しまれていた状況をうかがわせる。
入館無料。6月23日まで。月曜と祝日は休館。
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