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京都で63年ぶりの特別な狂言、人間国宝3人が出演へ |
□投稿者/ 管理人 院生(611回)-(2024/04/26(Fri) 17:31:48)
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京都市立芸術大の移転で「祝賀能」
京都市立芸術大(京都市下京区)は5月3日、キャンパス移転を記念した「祝賀能」を催す。「翁」「高砂」に、幕府や宮中などでの演能の際に取り入れた、特別な狂言「松竹風流(ふりゅう)」と謡「開口(かいこ)」を挿入して上演する。京都では63年ぶりとみられ、企画した研究者は「能楽に儀式的な芸能の側面があることを再確認する場に」と期待する。舞台にはいずれも人間国宝の金剛永謹、宝生欣哉、茂山七五三が顔をそろえる。
「翁」と「高砂」を続ける「翁付高砂」として上演。「松竹風流」は翁(永謹)の荘重な舞の後、松と竹の精(茂山茂、宗彦)が舞台になだれ込み、風流千歳(七五三)に語り、天下泰平(たいへい)をことほぐ舞を披露、三番三(茂山千五郎)が続く。「開口」は「高砂」のワキ方(欣哉)が、主催者や舞台のある土地などをたたえる新作の謡を謡い、尉(じょう)(金剛龍謹)や姥(うば)(宇高徳成)が現れる本編へと移っていく。
京都では東本願寺の能舞台で50年に1度、宗祖親鸞の御遠忌に合わせて上演されてきた。2011年にも予定されたが、東日本大震災の影響で中止となり、継承の機会が失われていた。
今回の上演は、同大学日本伝統音楽研究センターの藤田隆則教授が企画した。昨年10月以降、過去の文書などから上演のスタイルを改めて洗い直すなど、準備を進める。「開口」の詞章は、大学のある下京や崇仁地区をたたえるような内容になるという。「この先も見る機会が限られた形式での上演。『式能』のありさまを後世に伝えたい」としている。
午後3時開演。5千円。問い合わせは同大学075(585)2006。
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