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桜の古木「最後の春」 樹齢80年、伐採へ「記憶に焼き付けて」 |
□投稿者/ 管理人 院生(566回)-(2024/04/11(Thu) 17:33:04)
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京都府木津川市加茂町の木津川河川敷で住民に愛されてきた樹齢約80年の桜2本が、11月ごろに伐採されることが決まり、最後の春を迎えている。相撲大会や花見会が開かれるなど、地域の営みを見守り続けてきた古木が別れの花を咲かせている。
桜がある河川敷一帯はジョギングや散歩コースとして多くの住民が愛用している。かつて宿場町や木津川の水運でにぎわった船屋通に近く、戦前には相撲場や盆踊り会場にもなった。1953(昭和28)年8月に府南部を襲った南山城水害などの大災害も乗り越え、花を咲かせて住民たちの目を楽しませてきた。
近くに住む男性(90)によると、数年前に道路の安全管理のために1本が切られるまで「船屋老三本桜」と呼ばれていたという。住民グループ「桜をまもる会」が木に絡みつくツルを刈り取ったり、周辺の草刈りをしたりして手入れをしてきた。メンバーは多い時には20人ほどが集まり、一丸となって木を守ってきた。
堤防の斜面沿いに咲く桜の樹齢は、国土交通省淀川河川事務所によると60〜80年。経年劣化で痩せた堤防に約3メートルの盛り土をし、遮水シートを入れて強化する工事を予定している。災害時の安全性を高めるために伐採が必要だという。
桜を惜しむ声が地域から上がったため移植も検討されたが、樹木医の見解では「成功率は5割程度」。さらに工事が必要となることや移植場所の調整などが整わず伐採することになった。同事務所が挿し木用に約20本の枝を切り、生育状態を見て希望者に配る予定。また市も「(伐採後の幹などを)コースターや椅子などに再利用するか住民と検討していきたい」としている。
満開となった7日、住民らが写真撮影会を開いた。
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