国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産登録を目指す彦根城(滋賀県彦根市)について、文化庁は9日、ユネスコ世界遺産委員会の諮問機関による事前評価の結果を発表した。彦根城を江戸時代の大名統治システムの象徴とする方向性は支持されたものの、複数の課題が指摘され、いくつかの関連遺産をまとめて推薦する「シリアル推薦」の検討も求めた。
事前評価の申請書で文化庁や滋賀県は、徳川幕府の大名統治システムは17世紀初頭の日本で始まり、約260年間の平和をもたらしたと説明。彦根城の価値は、世界的に貴重な徳川の統治システムを証明するものと位置付けた。
事前評価ではこうした観点が支持された一方、課題として、彦根城が他の近世城郭より優れていることをさらに示すよう提案された。「単独で十分に大名統治システムを表現できるのかなどの弱点もある」と、同システムにおける彦根城の重要性をより深く説明するよう求め「シリアル推薦も考えるべきだ」とした。
滋賀県文化財保護課は事前評価の結果について、2025年度中の国内推薦と27年度の世界遺産登録を目指す方針は変えていないとして「大名統治システムを焦点としたのが支持されたことは前向きに捉えている。課題を分析して登録を目指したい」とした。シリアル推薦の可能性は否定しないものの「あくまで単独での登録を目指す」と強調した。
事前評価はユネスコが23年に始めた制度で、推薦書の本提出前に諮問機関の助言を受けられる。彦根城は同年9月の締め切りまでに、他国の13件とともに世界で初めて申請書を提出していた。
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