京都府八幡市八幡の石清水八幡宮で15日未明から、勅祭「石清水祭」が行われた。装束姿の約500人が祭神の八幡大神とともに暗闇の参道を進み、平安や幸福を願った。
石清水祭は863(貞観5)年に始まった石清水放生会が起源で、948(天暦2)年に天皇の使いが供物を届ける勅祭になった。京都市の葵祭、奈良市の春日祭とともに「三大勅祭」とされている。
神事は午前2時、山上の本殿で始まった。午前3時ごろには、八幡大神を乗せた3基の御鳳輦神輿(ごほうれんみこし)が、神職や「神人(じにん)」と呼ばれるお供ら約500人を従えて出発。たいまつと提灯(ちょうちん)の明かりだけを頼りに、1時間ほどかけて麓の頓宮に向かった。
頓宮であった「奉幣(ほうべい)の儀」では、天皇陛下からのお供え物である「御幣物(ごへいもつ)」が奉納された。勅使による、天皇陛下からの国家の繁栄と国民の幸福を願う御祭文の奏上もあった。空が徐々に明けていく中、参列者が厳粛に進む神事を見守った。その後、近くの放生川ではウナギとドジョウを放つ「放生行事」が行われた。
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