豊臣秀吉の孫に当たる国松が所用したと伝わる小太刀「似心(いしん)」が、高台寺掌(しょう)美術館(京都市東山区)で展示されている。豊臣滅亡後も生き延びたとする「国松伝説」にまつわるともいわれ、豊臣家が続いたという夢の物語を思い起こさせる遺品として紹介されている。
同美術館によると、似心は長さ60センチほどで、桃山時代から江戸時代初期の特徴を示す。高台寺を創建した秀吉の妻・北政所にとっては実家筋の木下家に伝わった可能性がある。銘には「木下氏延由(のぶよし)所持」と九州・日出藩主家に生まれた実在者の名を刻む。「似心」の二文字もみられ、「似(に)せの心」「心を似せる」と読み取れる。2020年に見つかり、大分県日出町教育委員会に寄託された。
国松は幼くして迎えた大坂の陣で豊臣方が敗れると、京都・六条河原で処刑された。一方、九州へひそかに逃れ、北政所を大叔母に持つ木下延由と入れ替わり、生き延びたという伝承もある。
高台寺掌美術館は「国松伝説は日出藩主が一子相伝で語り継いだという子孫の話もある。『似心』が物語る似せようとした人は誰か。歴史のif(イフ)のおもしろさを感じてほしい」としている。
展示は2024年の北政所没後400年遠忌の一環で催されている。12月23日まで。入館は午前9時〜午後5時。有料。
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