平安時代から続く奈良を代表する伝統行事「春日若宮おん祭」の「お渡り式」が17日、奈良市内であり、観光客が沿道を埋め尽くす中、約1000人の時代行列が華やかに練り歩いた。
天下太平や五穀豊穣(ほうじょう)を願って始められた春日大社の摂社・若宮神社の祭礼。今年で889回目を数え、国指定重要無形民俗文化財にも指定されている。
正午ごろ、時代行列が県庁前を出発すると、近鉄奈良駅前やJR奈良駅前、三条通りをにぎやかに巡った。おん祭の中心的な役割を担う「日使(ひのつかい)」はクボタ特別顧問の木股昌俊さんが務めた。
途中、興福寺南大門跡前では「南大門交名(きょうみょう)の儀」、一之鳥居東側の「影向(ようごう)の松」前では「松の下式」があった。同大社参道では2騎ずつが疾走する「競馬」や稚児(ちご)による「流鏑馬(やぶさめ)」も行われた。
これより前、17日未明には、若宮神社の神様をお旅所へ遷(うつ)す「遷幸(せんこう)の儀」と、お旅所での「暁祭」が営まれた。
午前0時、境内すべての明かりが消されると、たいまつが落とした墨と沈香で参道を清めた後ろから、榊(さかき)を持って神霊を取り囲んだ神職らが「オー、オー」と声を発して移動した。お旅所では、薪の火に照らされた舞台で花山院弘匡宮司が祝詞を奏上した後、巫女(みこ)による神楽などが奉納された。
春日若宮おん祭は最終日のきょう18日、午後1時から奉納相撲、同2時から後宴能がある。
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