昨年1月に国内初の開花事例として注目された京都府立植物園(京都市左京区)のミズヤシが、今年も無事に花を咲かせた。同園によると、野生ではマダガスカルの3河川でしか自生しておらず、世界中を調べても人工で育てている施設は他に見当たらないほど貴重な品種。担当者は「ひと目見ていただけたらうれしい」と話している。
ミズヤシは水中に生える唯一のヤシで、1993年に新種として発表された。京都大の瀬戸口浩彰教授が98年にマダガスカルで幼苗を採取し、2000年に園が譲り受けて観覧温室で育ててきた。
学名には「音楽の」という意味があり、樹上にたくさんついた果実が水面に落ちる際、音楽のように聞こえることにちなむ。園の株は雌で、人工授粉で実を結ばせるためには雄株の花粉を入手する必要があるが、ミズヤシを保有する施設は海外を含めて確認できないという。
今年は1月12日ごろに開花。白い花が無数に集まる花序(かじょ)が、幹の上部から顔をのぞかせている。担当者は、野生の花粉の入手は高額な費用がかかるため困難としつつ、「絶滅危惧種であり、実をつけてくれたら種の保存にもつながる。落果の音も聞いてみたい」と思い描く。
花は1カ月ほど続くが、見学は咲き始めの方がきれいでお勧めという。
|