調査で判明「いい意味と思っていたが・・・」
「京おんな」の言葉に、京都の女性はマイナスイメージを感じる人が少なくない−。全国21の地方紙が合同で実施したアンケートで、男女の特性を表す地域特有の言い回しや印象を尋ねたところ、京都府内の回答からは、そんな傾向が浮かび上がった。「裏表がある」「いけずに思われる」と悪印象を挙げる声が目立ち、「腹が立つ」という人も。ただ褒め言葉と感じる人もおり、府外の人が抱く「京おんな」の幻想に戸惑う京都府民の姿もうかがわせた。
アンケートは京都新聞の「読者に応える」など双方向型報道に取り組む地方紙ネットワークが昨年12月に実施した。通信アプリ「LINE」の登録者らに性別役割分担意識などを問い、全国6727人から回答を得た。
アンケートでは「九州男児」や「秋田美人」のように男女の特性や性差を表す言葉や表現が身の回りにあるかも聞いた。その結果、京都府民で最も多かったのは「京おんな」(「京女」「東男と京女」含む)の69人。「京美人」が35人で続いた。
「京おんな」に対する府民の印象は「怖い、裏がある」(京都市、30歳女性)、「いい意味だと思ってきたが、最近はいけず(いじわる)だと思われているかも」(同市、66歳女性)とマイナスイメージを挙げる人が多かった。「いけずな人という意味で使われている気がして腹が立つ」(同市、62歳女性)という人もいた。
特に目立つのは「京おんな」に二面性を連想する人の多さだ。「表面は柔らかいが、中身はキツイ」(京都市、57歳女性)、「表向きの顔をうまく使う人と思われているのでは」(同市、51歳女性)、「おしとやかだかけど、したたかな感じ」(京都府、52歳女性)との反応が多くみられた。
男性からは「根性があるが、表面には出さないのでいけずと思われることがある」(京都市、70歳男性)というフォローもあった。
一方、「物腰やわらかいイメージ」(京都市、49歳女性)、「品があっておっとりして見えるが、中身は気が強くてしっかりしていて、やるときにはやる」(宇治市、52歳女性)と前向きに評価する声もあった。「褒め言葉と思うので目指している」(京都市、62歳女性)という人もおり、「京女は美しい言葉。生まれた経緯や伝統に根ざした生き方があり大事にすべき」(京都府、性別は「答えない」63歳)との意見もあった。
京都府内の女性には当然多様な個性があり、「ほぼ死語化しているように思う」(京都市、64歳男性)との声もあった。ただ「いじわるなイメージがあるけど、私は『京女らしくない』と言われる。喜ぶべきか悩む」(同市、66歳女性)という人もいた。
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