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■1345 /inTopicNo.1)  「苔寺」は苔むす境内ではなかった 寺の目指す新たな境内の姿は
    □投稿者/ 管理人 院生(1353回)-(2025/04/04(Fri) 16:22:44)

       「苔(こけ)寺(でら)」はかつて苔むす境内ではなかった−。西芳寺(京都市西京区)はアップル共同創業者の故スティーブ・ジョブズも参拝し、「Moss Temple」の愛称で海外にも知られる。だが、苔の繁茂は江戸時代以降とみられ、発掘などの調査を通じて、中興の祖・夢窓疎石による当初の庭は様相が異なっていたと確かめられた。令和の庭園整備が進められる中、中興の祖の名残も感じられる境内へ、生まれ変わりつつある。

       禅僧の疎石は後醍醐天皇や足利尊氏から師と仰がれ、作庭家としても名高い。1339年に西芳寺を中興すると、仏閣や僧舎とともに、庭も整えた。当初は白い砂や青々とした松の「白砂青松」をたたえられており、現在のような緑の苔で覆われた境内ではなかったようだ。室町時代は桜や紅葉の名所となり、足利義満の「北山殿」(現在の金閣寺)、足利義政の「東山殿」(現在の銀閣寺)の手本にもされたという。

       この疎石の庭をしのばせるのが、苔などに埋もれるように現存していた滝組などの遺構だ。考古学者で庭園も研究する鈴木久男・京都産業大日本文化研究所客員研究員は言う。

       「西芳寺にある庭園のうち、上段の庭はいかにも枯(かれ)山(さん)水(すい)の禅文化的な荒々しさを感じるが、下段の庭で見つかった滝組はそこまでゴツゴツしていない。池や自然との調和を意識し、平安時代的な庭として造園したとも感じられる。貴族文化を踏襲しつつ、禅文化らしさを融合させたともいえ、作庭家・疎石の美意識を伝えてくれる発見だ」

       西芳寺の庭園整備は2031年の開山1300年に向けた取り組みだ。21年に始まり、苔の保全はもとより、景観復元も目指すが、疎石時代への全面回帰とは一線を画す。

       整備を助言する尼崎博正・京都芸術大名誉教授(造園学)は「水が岩のすきまを通り『玉を洗うが如く』とたたえられた疎石時代の姿を取り戻すだけでなく、その後の移り変わりの歴史も大切にしたい」と強調する。

       発掘のほか、文献や絵図による調査も重ね合わせると、苔の繁茂は江戸時代以降の荒廃に伴う「副産物」であると裏付けられた。現在の庭は19世紀半ばの「西芳寺放生會重興略記」に似ているとも確かめられ、長年の移ろいも反映させるという。

       庭は今年2月までの整備で、こうした絵図にある鳥居を再び取り付け、神仏が降り立つという「影向石」と滝組近くを通れる園路も復活させた。今年秋には滝から「黄金池」への水の流れも復元させる方針だ。

       西芳寺の藤田隆浩執事長は「復元のかたちがやっと見えてきた。1300年の歴史があって現在の苔むす庭がある。その歴史の積み重ねを今回の整備を通じて感じていただきたい」と話している。参拝は事前申し込みが必要。詳細はホームページに記載している。


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■1348 /inTopicNo.2)  「苔寺」で700年前の「滝組」確認
    □投稿者/ 管理人 院生(1356回)-(2025/04/04(Fri) 16:40:32)

       苔をはがして調査すると…

       「苔(こけ)寺」の名で知られる西芳寺(京都市西京区)の庭園で、700年近く前の室町時代初期に石で築かれた滝組が現存していることが、京都市の発掘調査などで分かった。庭の一部で苔をはがすと、寺を中興した禅僧で作庭家の夢窓疎石(むそうそせき)が手がけたとみられる石組が現れたといい、苔むす前の情景をしのばせる。

       西芳寺は奈良時代の僧侶・行基が731年に開山したと寺に伝わり、1339年に疎石が再興した。枯山水(かれさんすい)式(上段の庭・非公開)や池泉回遊式(下段の庭)の庭園も整えられたといわれるが、境内は15世紀の応仁の乱を経て、衰勢へ。下段の庭は江戸時代の18世紀以降、荒廃して苔などで覆われたため、再興時の痕跡は分かりにくくなっていた。

       市によると、発掘調査は下段の庭の南西部であった。石組の苔や土などを取り払ったところ、いずれも室町初期となる滝組(高さ・幅ともに約1メートル)や滝から落ちる水を受ける水受石のほか、西芳寺川から滝へ水を引き込む導水路は江戸期の付け替え分を含めて2本が残っていた。

       また、滝組から3メートルほど東にあり、寺の縁起に関わる巨石「影向石(ようごういし)」(幅2・4メートル、奥行き1・2メートル)は、16世紀の「京名所図屏風(びょうぶ)」にも描かれる現在の位置で、室町初期までに据えられたと確かめられた。19世紀の絵図にみられ、影向石を拝むための鳥居についても、柱を据えた二つの穴が見つかったという。

       市文化財保護課は「一帯の石組は北側が江戸期に改変されていたのに対し、滝組が残る南側は石が一回り大きく、石の種類にも違いがあった。近くで見つかった導水路を水が流れ、滝の石組を洗うさまが分かる遺構で、15世紀に来日した李氏朝鮮の使者が『寺の中、渓流を林表に引き、之を准らして池となす』と手記につづった情景を思い起こさせる」としている。

       発掘調査は史跡・特別名勝「西芳寺庭園」の整備に伴い、市と市埋蔵文化財研究所が2021〜24年に行っていた。

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