阿 波(徳島県)

発心の道場23ヶ寺 
 

参考:るるぶ 四国八十八ヶ所 / 四国八十八ヶ所詳細地図帳
1  竺和山 霊山寺 一乗院

宗派=高野山真言宗
開基=行基
本尊=釈迦如来(秘仏)

この寺が一番になったのは、高野山から下ってきて紀伊水道を渡った撫養の港に一番近かったから。
ここから仏教の五転の法門にしたがって、右回りに88ケ所を巡る。

↓ 約 1km

2  日照山 極楽寺 無量寿院

宗派=高野山真言宗
開基=行基
本尊=阿弥陀如来坐像(秘仏)

本尊に祭られている4尺5寸の阿弥陀如来坐像は弘法大師作、左右の釈迦如来、薬師如来像は行基作といわれる。
樹齢1000年余りの巨木「長寿杉」は、杉に縛られた紅白の縄を引っ張ると霊気をさずかるという。

  宿坊あり (1泊2食 8000円 要予約)

↓ 約 3km

3  亀光山 金泉寺 釈迦院
宗派=高野山真言宗
開基=行基
本尊=釈迦如来(非公開)

屋島に向かう途中この寺に立ち寄った源義経が戦勝祈願をした際に、家来の弁慶が自らの力を披露するために持ち上げた石。
弘法大師が巡錫した時に湧き出したという黄金井は、覗きこんだとき自分の姿が見えなければ三年以内に死んでしまうという。

↓ 約 6km

4  黒巖山 大日寺 遍照寺

宗派=東寺真言宗
開基=弘法大師
本尊=大日如来(秘仏)

本堂内には大師自ら三礼一刻して彫った大日如来が(1尺8寸 秘仏)祭られている。

↓ 約 2km
 

5  無尽山 地蔵寺 荘厳院

宗派=真言宗御室派
開基=弘法大師
本尊=勝軍地蔵菩薩

水琴窟ガ二ヶ所あり、本堂横の地蔵尊(経木の下)。もう一ヶ所は太子堂側にある。

↓ 約 5km

6 温泉山  安楽寺 瑠璃光院

宗派=高野山真言宗
開基=弘法大師
本尊=薬師如来

江戸時代に駅路寺だった瑞運寺と合体して現在の地に移った。
駅路寺とは、宿に困ったお遍路さんを泊める藩指定の寺のこと。

  宿坊あり (1泊2食 6000円 要予約)

↓ 約 1.5km

7  光明山 十楽寺 蓮華院

宗派=高野山真言宗
開基=弘法大師
本尊=阿弥陀如来(秘仏)

眼病や失明に霊験があると伝えられる治眼疾目救歳地蔵尊が祭られている。
70体の水子供養の地蔵尊。

  宿坊あり (1泊2食 6000円 要予約)

↓ 約 4km

8  普明山 熊谷寺 真光院

宗派=高野山真言宗
開基=弘法大師
本尊=千手観世音菩薩(秘仏)

県の文化財に指定された仁王門は四国随一の規模。
二層広間の東西二本の丸柱は東が昇り龍、西が降り龍になっている。

↓ 約 2.5km

9  正覚山 法輪寺 菩提院

宗派=高野山真言宗
開基=弘法大師
本尊=涅槃釈迦如来(秘仏 - 5年に一回開帳、次回は2007年秋予定)

大師が白蛇と出会って開基したとの縁起から、もとは白蛇山・法林寺と号し約3km離れた山麓にあったが、正保年間(1644〜48)現在の地に移された。
本尊は88カ所中唯一の涅槃像。

↓ 約 4.5km

10 得度山 切幡寺 灌頂院

宗派=高野山真言宗
開基=弘法大師
本尊=千手観世音菩薩(秘仏)

仁王門から333段の石段を上ると本堂がある。
本堂には機織り娘が即身成仏となった観音(秘仏)も安置されている。
大塔は国の重要文化財に指定され、現存する唯一の二重方形塔婆でもある。

↓ 約 12km

11 金剛山 藤井寺

宗派=臨済宗妙心寺派
開基=弘法大師
本尊=薬師如来(秘仏)
 

二度にわたる火災を逃れた本尊には、久安四年と平安時代の年号が記されており、四国霊場最古の仏像とされる。
八畳岩の上に護摩壇を築いて17日間修行を積み、五色の藤を植えたことから寺の名前が付けられた。

↓ 約 43km
(遍路ころがし : 藤井寺から焼山寺までの16kmの遍路道は88ヵ所で最初の難所。足に自信がつくか、自信をなくすかの分かれ道でもある。男性の足で8時間、女性なら9時間といわれる。)

12 摩廬山 焼山寺 性寿院

宗派=高野山真言宗
開基=役小角
本尊=虚空蔵菩薩(秘仏)

標高830mの山腹にあり、88カ所中でも難所の一つとされる。
修験道の修行地としても知られる。
求聞持法を修行したことを示す岩窟が奥の院への途中にある。
衛門三郎伝説あり。(関連:51番石手寺)

  宿坊あり (1泊2食 6000円 要予約)

↓ 約 25km

13 大栗山 大日寺 華蔵院

宗派=真言宗大覚寺派
開基=弘法大師
本尊=十一面観世音菩薩(秘仏)

2体の仏(十一面観世音菩薩・大日如来)を祭る、もと一宮神社の別当寺

  宿坊あり (1泊2食 6000円 要予約)

↓ 約 3km

14 盛寿山 常楽寺 延命院

宗派=高野山真言宗
開基=弘法大使
本尊=弥勒菩薩(秘仏)

四国霊場の中で唯一の未来仏。
大師堂前のアララギの木に祈ると目の病気が治ることから「あららぎ大師」の名も。
山を切り崩して岩盤の奥に堂宇を建てた「流水岩の庭園」

↓ 約 1km

15 薬王山 国分寺 金色院

宗派=曹洞宗
開基=行基
本尊=薬師如来(秘仏)

聖武天皇と光明皇后の位牌が祭られている。
旧境内から出土した七重塔の心礎は、環溝型の珍しい形式なのが特徴。
境内全体が県史跡に指定されている。

↓ 約 2km

16 光耀山 観音寺 千手院

宗派=高野山真言宗
開基=弘法大師
本尊=千手観世音菩薩(秘仏)

本堂には炎に包まれた女性の絵が掛かるが、これにはチョット怖い因縁話がある。
その災いを受けたと深く反省してこの絵を奉納した。
本堂と大師堂の間に「夜泣き地蔵」が安置されている。

↓ 約 4km

17 瑠璃山 井戸寺 真福院

宗派=真言宗善通寺派
開基=天武天皇(勅願)
本尊=七仏薬師如来(拝観可能)

薬師仏をはさんで左右に3体ずつ、合わせて7対の七仏薬師如来を本尊にしている珍しい寺。
大師が錫杖で一夜にして掘ったという伝説の「面影の井戸」。

  宿坊あり (1泊2食 5800円 要予約 7〜8月、12〜2月休業)

↓ 約 20km

18 母養山 恩山寺 宝樹院

宗派=高野山真言宗
開基=行基
本尊=薬師如来(秘仏)

もとは女人禁制の道場であったため、弘法大師の母の玉依御前が尋ねてきたが会えなかった。
そこで母のために女人解禁の秘宝を修め、晴れて母と対面できたという。
母君はここで髪を切って出家した。
今も上がり道の一つ、ツルマキ坂(花折坂)は女人禁制となっている。
弘法大師が自らの手で植えたというびらん樹。

↓ 約 5.5km

19 橋池山 立江寺 摩尼院

宗派=高野山真言宗
開基=行基
本尊=延命地蔵大菩薩(拝観可能)

阿波の関所ともよばれ、邪悪な心を持つ人や罪を犯した人には罰が下り、この先、進めるかどうかを見極める関所だったとともいわれている。
享保3年(1718)に石州(島根県)浜田のお京という女が、夫を殺し密夫長蔵とともに駆け落ちしてこの寺まで逃げてきたが、その黒髪が逆立ち、本堂の前に垂れ下がっていた鉦の前に垂れ下がっていた鉦の緒に巻き付いたという。
住職に救いを求め、その罪の一切を後悔すると、肉もろとも黒髪が剥げて鉦の緒に残り、辛うじて命が助かった。
その髪の毛が付いた鉦の緒は今も本堂に収められている。

西村公朝氏の指導による天井画が描かれている。

  宿坊あり (1泊2食 6000円 要予約)

↓ 約 15km

20 霊鷲山 鶴林寺 宝珠院

宗派=高野山真言宗
開基=弘法大使
本尊=地蔵菩薩

周囲の山々の雰囲気がお釈迦様が説法をした場所、霊鷲山に似ているところから山号が付けられた。
「一に焼山、二にお鶴、三に大龍寺」といわれるほど、鶴林寺は阿波の三大難所の一つに数えられる。(歩き遍路の場合)
江戸時代に盛んに行われるようになったといわれるお遍路だが、寺の参道には、その寺ごとの道しるべである古い丁石が残っている。
最も古いものは貞治2年(1363)と刻まれた丁石で、ざっと今から600年前のもの。
県指定の史跡で、今も難所を歩く遍路を導いてくれる。
本尊が白鶴に守護され降臨されたという杉の巨木は、本堂左手にある。
その横には弘法大師が植えたという菩提樹があり、冬に木の葉が舞う様子が鶴が舞う姿に見えるという。

  宿坊あり (1泊2食 6000円 要予約)

↓ 約 11.5km  ロープウェイ 約10分

21 舎心山 太龍寺 常住院

宗派=高野山真言宗
開基=桓武天皇
本尊=虚空蔵菩薩

境内を出て左へ500mほど進んだところに、弘法大師が虚空蔵求聞持法の修行をしたという南舎心ケ嶽がある。
この修行は虚空蔵菩薩の真言を百万遍唱えると、超人的な記憶力が付くという秘法。

鎌倉時代に造られた仁王門は徳島県では最大最古といわれている。

大師堂は高野山奥の院を模す。

開帳は旧暦3月21日。

↓ 約 20km

22 白水山 平等寺 医王院

宗派=高野山真言宗
開基=弘法大使
本尊=薬師如来

本堂左手にある井戸は万病に効く「弘法の水」

↓ 約 23km

23 医王山 薬王寺 無料寿院

宗派=高野山真言宗
開基=行基
本尊=薬師如来

平城天皇に始まり嵯峨、淳和と天皇の厄除けの勅願所として栄えた。
男厄坂42段、女厄坂33段があり、階段を上るごとに賽銭を置いていく。
瑜祇塔までは61段の石段が続き、還暦の厄坂になっている。

本尊の薬師如来は文治4年(1188)、火災の焼失から免れるため、本尊自ら奥の院の玉厨子山に飛び去った。
その後、伽藍を再建し新しい薬師如来を安置すると、飛んで行ったはずの本尊が戻ってきて、新しい像の後ろに後ろ向きに入ったという。
以来、本尊は前向きと後ろ向きの2体となり、戻ってきた本尊は「後ろ向き薬師」とよばれている。

  宿坊あり (1泊2食 6000円 要予約)

↓ 約 75km


 
60番札所から23番札所と高野山まで。

初日
京都 10:00発 〜 瀬戸中央自動車道 〜 60→63番札所 〜 温泉宿

二日目
64札所 〜 76番札所 〜 金比羅さん参道にある宿

三日目
77番札所 〜 88番札所 〜 うみがめ荘

四日目
23番から逆打ち 〜 11番札所 〜 御所温泉

五日目
10番札所 〜 2番札所 〜 高野山 〜 宿坊

六日目
高野山奥の院 〜 京都

* 台風16号のため徳島港から和歌山港へのフェリーが中止になる。
* 六日目朝、大鳴門橋が通行止めになる。

* ロープウェイは、雲辺寺(66番) \2000円  太龍寺(21番) \2400円
* ケーブルは、八栗寺(85番) \900円


 
真言密教の修行の段階を示す「五転の法門」

「五転の法門」とは、『大日経』の核心ともいうべき「三句の法門」を具体的に説いたもので、「発心、修行、菩提、涅槃、方便」の五段階からなります。

1. 発心……御利益によって信仰の有り難さがわかる段階

信仰を始めると、まだよくわからないうちに奇跡的な御利益を受けることがあります。それほどではなくても、信仰を始めた当初は、比較的簡単に御利益をえることができます。これを「初心の功徳」といいます。
それによって、神仏やご先祖様に対する感謝が生じ、熱心に信仰をするようになり、さらに御利益が与えられます。こうして、御利益をいただくことによって、信仰の有り難さを実感する段階です。そこから、俗世を超えた真の幸福・彼岸に到ろうという心が起こるのです。
信仰は「素直、努力、感謝」が大切ですが、この段階で特に大事なことは「素直」です。まず素直に信じ、信仰によって救われようと心を定めることによって、御利益をいただくことができるからです。

2. 修行……信仰的な生き方が自分のためであることがわかる段階

信仰を続けるうちに、だんだん霊界や因縁というものがわかり、先祖供養の大切さを実感するようになってきます。また、自分の幸不幸は、他人や環境に問題があるのではなく、自分自身が原因だということを悟ります。
そのため、単に信じるだけではなく信仰的な生き方をすること、自分自身が変わることが大切だということがわかり、信仰自体が喜びとなります。さらに正しい信仰と生活をしていれば、必ず幸福になることが確信できるようになりますから、すぐに思うような結果が現れなくても、信仰が揺らいだり、不安になったりすることがありません。そして先祖の因縁が着実に解消され、自分自身も成長することができます。
この段階で大切なことは「努力」です。それも独りよがりな努力ではなく、教えられた内容を素直に受け取り、精進努力することが大切です。

3. 菩提……信仰を体得する段階

さらに信仰を続けていくと、さまざまな苦しみや不幸な現象は、過去の悪因縁を清算するためのものであり、また、神仏やご先祖が私たちの心得違いを諭すために与えてくださった「愛の鞭」であることがわかります。
つまり、善いことばかりではなく、悪いことも含めて、すべては私たちにもっとも必要なことが、神仏やご先祖様から与えられているのだということがわかるようになるのです。そして、私たちは自分で生きているのではなく、生かされて生きているのだということが実感できるようになり、おのずとあらゆるものに感謝できるようになります。
また、この段階では、驚くような奇跡的な御利益をいただくというより、不思議と物事が円滑に運ぶというようになります。大難が小難ですみ、小難は無難になるとか、願い事も、それが必要なことであれば、自然な形で実現するということが多くなります。
この段階では「感謝」が大切です。これは、ただ善いことがあったから感謝というのではなく、常日頃からの、あらゆるものに対する感謝です。

4. 涅槃……揺るぎない信仰による安心立命の境地

揺るぎない信仰を持ち、自分が神仏やご先祖様によって導き生かされており、すべては自分にとって必要なことが与えられているのだということがわかると、すべてが有り難いことになります。どんな悪いことがあっても、ただ自分の心得違いを反省し、悪しき因縁が清算されていることを感謝するだけです。
そうなると、因縁によって生じた境遇は「苦」の原因ではなくなります。これが苦しみや悲しみ、悩みの滅した状態であり、安心立命の境地です。また、本当の意味の「プラス思考」だともいえます。
この段階では「自立」が必要になります。教団や指導者などに依存している限り、真の安心立命は得られないからです。

5. 方便……菩薩行を実践し、法悦を得る段階

「三句の法門」の三番目は「方便を究竟と為す(いろいろな方法で世のため、人のために尽くすことが最終目標だ)」です。方便とは、人々を救済するために、もっとも効果的で実際的な方法ということです。
菩薩は自分自身が悟りを求めながら、周囲の人々を救い導き、ともに悟りに到ろうとします。これが「上求菩提、下化衆生」の「菩薩行」です。
真の幸福は、先祖の因縁を清算しつつ彼岸へ到達することですが、目の前の問題に苦しんでいる人にはそのような余裕がありません。そこで、一方的に教えを押しつけるのではなく、今、相手が一番必要な助けを与えることが必要です。それから、真の幸福へ到る道へと導くのです。
人々が幸福になり、喜んでいる姿を見ると、自分自身の中にもしみじみとした喜びが湧き上がってきます。これを私たちは「法悦」と呼び、他の何事にも換えがたい最高の喜びとなります。
また、宇宙の法則は「人を助けて、我が身助かる」であり、菩薩行の実践は、自分自身が救われる最高最善の道でもあるのです。

以上、「富士の会」のHPより。アドレスはキャッシュより こちら
 

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